2011年1月18日火曜日

月あかりと静寂

昨晩、友人宅へ行った帰り。

工房付近は国道から赤い橋を渡って入ると一転して雪深くなる。
山裾の丘陵地を見ながら谷あいに向かい道が伸びているが
夏場は青く稲が育ってる田園風景も今は雪原と化している。
空には月が音のない世界を照らし、
多紀連山と言われる山なみの稜線をくっきりと魅せている。

ふと車の窓から外を見ると、少し離れた雪原の中に山鹿が数頭。
おもわず車を止めて、エンジンを切る、
エンジンを切った瞬間に、なんともいえない静寂が世界を支配し
耳の鼓膜ではなく肌で音という振動を感じるような気がする。

見上げた月と群れをなして走り去る鹿、碧白く映し出された一面の雪景色が
あまりにも美しく、宇宙のなかに存在しているこの世界を感じることができる。

あたりまえに存在してる風景なのだろうけど、
おもわず誰かに伝えたくなるのは
なぜなのだろう。