2010年10月22日金曜日

磁力の強い人

「あの人オーラがあるよね〜」などということを、たまに聞く。
目には見えないけど、魅力ある人が、
ある種、醸し出してるエネルギーみたいなもの。
日本語でいうと「後光が差してる〜」みたいなものか?
いや、「後光」というと崇高なイメージがするので、オーラの
それとはすこしニュアンスが違うかな。
「オーラ」はなにか湯気のようなものが立ちのぼる感じだし、「後光」は
直線的に発光してる、という感じ。
どちらも、実像としては見えないけど、その人の内面から外に向かって
発散しているエネルギーのことをいうのだと思う。
それに対してではないが、もうひとつ僕が感じるエネルギー体がある。
「磁力」それは発しているものではなく、自らに引き寄せる力。
自分が求め、欲する想いに働くエネルギー。


昨日、広島から有本空玄さんと山根宏造さんが篠山の工房へ来られた。
有本さんは昨年広島でぼくが個展をしたとき、山根さんといっしょに
来ていただきました、山根さんは京都の工業試験場で同期だったので
そのとき20年ぶりぐらい、有本さんはお名前だけは存じてましたが、
お会いするのは初めて。
その後、今年2月に土岐市であった、現代茶陶展の授賞式で2度目。
そして昨日3度目の再会でした。
前にも書きましたが、志野に対する熱意が並大抵のものではなく、
全身すべてで志野にぶつかって行く姿勢がすごい。熱い、熱い熱い。
篠山から場所を京都に変えて、呑んで話したけど、と言っても飲んでる
のは僕で有本さんはウーロン茶。山根さんは僕たちが話してるのを
優しい眼差しで見守ってくれてました。

そのとき感じたのが有本さんて、「磁力の強い人」やな〜って。
志野はやはり「もぐさ」土、そして長石。その選りすぐられた原料を
探し当てるか、ということに尽きると思う。
これをなくして志野はあり得ない。
地球に存在してる以上、土や長石もおそらく磁力を帯びていると思う、
お互いが呼応して引き寄せるのかもしれないが、
それを探し当てるにはその人間の磁力というエネルギー体が
ものをいうのだと感じる。
有本さんは、僕がおもうに物質としての
土や長石を探して求めているのではなく、志野の魂を探し求めて、
つかみ取ろうとしているのがよくわかる。

ただ、磁力がつよいぶん、いらぬものまで引き寄せることもあるのか、
行者のような業を自身に架して精神を清めているのだと感じた。

ただ、おもしろいのは見た目、修行僧のように見えるのは山根さんで
猟師のように見えるのが有本さんであるからおもしろいのである。

ぼくはこのコンビが大好きなのだ。