2010年8月11日水曜日

朱夏

先日、備前の先輩が篠山の工房まで来られました。
卒業後なかなか会う機会がなかったけど、今年初め、土岐の現代茶陶展の
表彰式で会って以来、5月の池袋東武で、再びばったり。
そして、今回篠山で。会うときには会うんやね。
ひとしきり、なつかしい学生生活の話をしました。当時まだ10代、
思えば青春と呼ばれる時期の真っ只中。
先輩は一学年上、でも当時から陶工としての風体の先輩だった。
でも、ぼくは10代ということもあったのだろうけど、なんとなく
斜に構えていた感があった。
いまから思えば、すばらしい先生の下で勉強させてもらっていたのに、、、。
あのころは先生の持っているひとりの作家としてのオーラが、10代の
カスのような自尊心を寄せ付けず、はじき飛ばされて、ただ逃げて
いたのだと思う。
もったいない限りです。
しかし、漫然と生きていた高校生時代の延長線上にあったけど、在学中の
2年間は、今に繋がるおおきな影響を受けた時間でした。
すこし離れた場所から、垣間見ていた先生の姿があったから。
まさに、あのころがスタート地点だった。けっして、やきものに全神経を
集中させたわけではなく、漠然と与えられた課題を進めていくのだが、
ただなんとなく子供の頃の粘土遊びとはちょっと違った土との関わりを
持った記憶が掌に残っている。


細かく見ていくといろいろあったけど、過ぎた時間を思えば、一瞬。
あれから25年も経ってる。
もうとっくに青春と呼べる季節ではなくなってるけど、人生においては
赤い「朱夏」。
今年の夏のように熱い情熱を持って生きたい、今はやきもの一辺倒。
それでいいと思ってる。




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