2010年5月16日日曜日

やめられない理由



期待に胸を膨らませて窯出しをするのですが、それをものの見事に
打ち砕かれる。そんなことはもう20年もやきものを作っていたら
わかってはいる、わかってるんや、わかってはいるんやけど、
毎回期待しては落胆する。
いちど小躍りしながら窯出ししてみたいものだ。

今回も、レンガを外していくたびに「う〜?!%#”*+〜ん」と
唸ってしまった。
以前使っていた同じタイプの窯とはいえ、なかなかやっぱり手強い、
結構攻め込んだつもりだったのに、まだまだ甘かったようだ。
窯はやはり、焚きこんでいくことでお互い鍛えられていくのが
よくわかった感じがする。
歩留まりが悪いのは、薪で焚くと仕方がないと思いがちだが、回数を
重ねていくとお互いの癖もうまく捉えることができるのだ。
その関係を築きあげていかなくてはいけない。

今回は、全体としては、けっしていい上がりではなく、ダメなもの
も多かった。
でも、体重のマイナス2キロ分、おおよそ3%ほどだけ、次につながる
ものを火の神様が窯の片隅に残しておいてくれたようです。
これだから窯焚きはやめられないのだと思う。
僕は窯焚き前に願掛けはしないけど、
焚いたあとに感謝はします。