2010年2月27日土曜日

土岐へ




今日、岐阜県土岐市へ「第4回現代茶陶展」の表彰式へ
行ってきました。
http://www.city.toki.lg.jp/wcore/hp/page000003300/hpg000003278.htm

大賞の奥本丸味さんの水指は写真では大きく見えますが、実際の作品は
小振りな、とても愛らしさのある大きさで、備前の焼肌はもちろん、
フォルムのラインがとてもスマートな作品に仕上がっていました。
ロクロで作ったものを口を綴じて、それを横にして叩いて形をだして
いるらしく、丁寧なつくりが印象的、ラインの品の良さは丸味さんらしい。
久しぶりにお会いしましたが、大学のころとぜんぜん変わってなく、
実直な人柄そのままで、とてもうれしかった。

もうひとり再会を楽しみにしていたのが、有本空玄さん。
志野に取り憑かれた有本さんは広島で志野を作っています、
美濃、多治見、土岐と言えば織部、志野、本場ですが、
そこへ出品して受賞はさすがです。数々の名品がある志野を
まっすぐに見据えて王道を貫こうとするのは並大抵の努力では
叶わないとかんじますが、有本さんには揺るぎない一本の節が
通ってるように見えます。
今回も自分で掘った原料の分析を土岐あたりの
試験場へ出しているらしく、この三日間ほどはいろいろ廻られる
ようです。ほんとに研究熱心で、志野への探求心には敬服
します。人柄もああいう熱い思いを持ってる人、僕は大好きです。

審査委員長を務められた林屋晴三先生とも、いままでいろいろな
展覧会で審査をしていただいていましたが、今回初めてご挨拶を
させていただき、表彰式でも身に余る講評をいただきました、
まして、今回の茶碗「風呼」を先生ご自身にお買いあげいただく
こととなり、かさねて恐縮の極みです。





しかし、つくづく思う。
茶碗は謎である、桃山期を頂点とした茶の湯の絶対美が
あるはずなのに、作ればつくるほど到達点は遥か彼方へ
遠ざかってゆく。たぐりよせようとも掴むのは影ばかり。