2009年3月16日月曜日

灰赫陶(はいかくとう)



「灰赫陶」最近の作品に取り組んでいる作品。源流はというと。
京都に国立博物館がある、実家が近かったせいもあり、
以前よりちょくちょく通った。縄文、弥生、紀元前、後、
日本が建国される以前の文化、そのなかに素焼きの肌に「朱」で
彩色されたものが展示されていて、それがとても印象的で脳裏に焼き付いた。
その後も原始土器や青銅器、山陰の遺跡など、
目にするごとに古代の造形や模様に興味が生まれ、
「倭陶」、「倭刻陶」など、自身の作品にも大きく影響を受けることとなった。

今年、やきものを制作し出して20年が経つ、
その間いろいろ見たもの、感じたものが知らぬ間に
頭のなかの引き出しに乱雑にしまいこまれ、
断片的な破片を組み立てるように制作している。

今取り組んでいる「灰赫陶」も、
その引き出しの中より不意に取り出した
破片から生まれた産物なのである。

自己表現としての「やきもの」を制作していくと
決めてからというもの、この破片をジグソーパズルのように
埋めていく作業を一生続けていくことだとあらためて感じている。
足したり引いたり、行きつ戻りつ、自分の決めた軌道に沿って進んで行く。

そんな今を感じながら制作の日々を過ごす。